1/72 F-15J
1991年完成
作品説明
航空自衛隊 第7航空団 第204飛行隊 836号機 百里基地 1990年
キットはハセガワ 製造順で36番機、F-15Jの初期製造ロット(ロット14まであるうちのおそらくロット2 )の、古参の機体であり、米国 F-15C ブロック 26C 相当とされます。ただし、米国がRWR(レーダー警戒受信機)、TEWS(戦術電子戦システム)、ECM(電子対抗手段)を提供しなかったため、三菱重工が独自に開発したシステムで代替しているため、元々C型とは異なる部分がある上(初期ロットには間に合わず未装備だったシステムも有り)、米国は「ブロック## 」というように、MSIP(Multi Stage Improvement Program 、段階的能力増強計画 最新機の部隊配備開始時「初期作戦能力を獲得した」という、あれがMSIP)を行っていくシステムであるのに対し、日本のF-15Jはその導入が遅れ、898号機まではMSIP非対象機のPre-MSIPであり、898号機以降の機体が日本版J-MSIPとなったのですが、段階的というより、まずイッキに大規模近代化改修し(今後の段階的能力向上余地の付与も含まれる)、2007年より改修済機が順次(割とスローペースで)引き渡されています。しかし本機体はPre-MSIP、ARH=アクティブレーダーホーミングには未対応なので、AAM-4ミサイルは(AAM-5も)運用できず、データリンクシステムも貧弱なまま、時代に取り残され陳腐化していく運命の機体です。
本作品は1991年に製作したもので、実はこの前に1機作って失敗しており、作り直したものでした。失敗原因は指定色のクレオス C307 グレーFS36320 とC308 グレーFS36375 原色を吹いてしまったため。ご存知かと思いますが、この2色は色調、明度が非常に近く、ほとんど同色に見えてしまい、雲型迷彩パターンが全くわからない、単色迷彩の淡いグラデーションにしか見えなくなってしまったためです。
本機もクローゼットの奥底から発掘された1機で、垂直尾翼上端の棒(実機でも何の機能も無い、ただの棒です)が折れていただけですが、技術的に拙かったのと、デカールの劣化が酷かったので、リペイントしました。
リペイントに際して色々調べていたら、本機のアナログメーターでびっしり埋め尽くされた計器版から想像つくように、本機のレーダーAN/APG-63 とそのFCSは、RAMもHDDも容量がキロバイト単位(E型のAPG-70でようやく1メガバイト)、M60A1の弾着予測点計算に4秒間もかかるので、針路も速度も変えずに飛んでいる目標にしか当たらないとか、知られざる真の実力に驚かせれました(注:Pre-MSIP機のことであり、J-MSIP近代化改修済の機体にはあてはまりません)。なんせ1,970年代のエレクトロニクスですからね、さもありなん。
詳細写真
キットのパッケージ、1990年12月公開 織田裕二主演 映画「BEST GUY」限定パッケージです。この箱、未使用アクセサリーパーツや説明書を納めて、ファラオのミイラの副葬品のように、クローゼットの奥底に保管されていたため、作品と共に発掘されて現存しています(笑)。キットの中身はハセガワの品番C7そのままなので、映画で主人公とそのライバルが操縦する機体番号デカールはありません。パイロットは付属しなかったはずで、自分、1991年当時既に「フィギュア載せる派」になっていたと判ります。
この品番C7は他のCシリーズとともに、一時期絶版になっていたようですが、最近Cシリーズ全て再販開始されましたね。ハイグレード高額モデルばかりで、廉価なベーシックモデル不在状態の解消のためでしょう。
パッケージ写真と概ね同アングルで撮影。実物はもう少し青味があり(後述の理由で、青味付加を意識して調色してますので)、コントラストはこれほど強くなく、翼面の黒スジは写真より淡いので、実物はもう少し再現度が高いです。ちなみにトップ写真が一番、実物に近いです。
F-15のライトグレー2色雲型迷彩は、導入国によって色調、明度がそれぞれ異なっており(塗り分けパターンは概ね同様)、米空軍機は全体に暗め、空自機は青白いです。だからクレオスの2色は調色して使用を前提としたベース色なのだと、好意的に解釈することにしました。私は具合見ながら少しづつ慎重に明度、彩度を変えたので、何色をどの割合で混色したかについて、記録に残せなかったことを少々、後悔しています。
リペイントに際して、パッケージ写真と共にモデルに選んだ実機写真です。
モデル機の写真と概ね同アングルで撮影。再現度、惜しい!少し汚い。でも一応申し上げると、写真はコントラストが強調されており、実物はもっと淡いです。ただしなぜか、この写真では青味については、割と実物に忠実に再現されてます。
ハセガワはコーションマークのデカールも極力、省略しない傾向がありますが、F-15Jは母国米軍機には書き込まれていないコーションマークが多数あり、あのハセガワですら再現断念して省略したマークが幾つもあります。例を上げれば、翼面の黒スジ、実機にも視認できますが、実はあれ、パネルラインではなくて、何かびっしりと文字が書かれていて、それが黒線に見えるのです(私はさすがにスミ入れで代替しましたが)。
リペイント時、コーションマークのデカールはマスキングせず、そこだけ吹き付けを加減して、うっすら透過させ、面相筆でひたすらなぞって復元する作業に(文字は点々で誤魔化しました)、基本色のリペイントやウェザリング以上の労力を費やした気がします。
ノズル内が白に塗装されてますが、少々芸が無いのは置いといて、色としては一応正しいです。ファントムのGE J79系エンジンは黒煙の尾を曳くのが欠点で、ノズル内も黒く煤けていましたが、F-15のPW F100系エンジンは完全燃焼するので尾は曳かず、ノズル内は真っ白に焼けています。
まだ空自のパイロットスーツがオレンジ色だった時期は、ホット・スクランブル出撃に持参したミサイルはAIM-9L/Mのみで、AIM-7M、それもフィンが黒いタイプを装備したことは無かったはずなので、考証ミスです。しかし、ファインモールドの「航空自衛隊 ミサイルセット」のミサイルは素晴らしく出来が良く、装備すると格段に映えるので、装備せずにはいられませんでした。メーカーの製作例の AIM-7とAIM-9 各4発フル装備仕様に比べれば、軽微な考証ミスとして見逃して頂ければ幸いです。
ちなみに自分、仕事の関係で一時期、金沢に住んでいたことがあり、北陸自動車道を走行時、着陸態勢の本機を間近で何度も見る機会があったのですが、ミサイル装備機は、実弾どころか青い演習弾ですら、ただの一度も見たことがありませんでした。
それはそうと、本機のお背中、だだっ広いですなぁ。空自の隊員募集に、アイドルにこの上でライブやらせるのはいかがでしょうか?
こんな感じ。